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生成AIサービス利用ガイドライン

生成AIサービス利用ガイドライン(補足)

1. 目的・適用範囲

本ガイドラインは、生成AIサービスを戦略的に活用し、業務効率化と品質向上を実現するための実践指針です。基本的なリスク管理に加えて、より高度な活用テクニックの習得と、チーム内での知識共有を目的としています。
皆さんに求められるのは、AIを単なる「便利なツール」として使うだけでなく、業務プロセス全体を見直し、組織の生産性向上に貢献することです。また、同僚や後輩からの相談に対して適切なアドバイスができる知識も重要になります。
生成AIサービスは、業務効率の改善等に有用である一方、入力データの内容やAI生成物の利用方法によっては法令に違反したり、第三者の権利を侵害したりする可能性があります。会社の業務において生成AIサービスを利用する際は、本ガイドラインを遵守してください。

2. 事前準備・環境構築

注意していても発生し得るリスク

  • 著作権侵害:生成物が偶然既存著作物と類似する場合
  • 虚偽情報:生成物に誤情報が含まれる場合
  • 商標・意匠権侵害:生成物が他社登録と類似する場合
  • プライバシー侵害:生成物に実在人物を想起させる表現が含まれる場合
  • 名誉毀損:生成物に第三者への否定的表現が含まれる場合
  • 機密情報漏洩:生成物が未公開情報を推測させる場合

必須セキュリティ設定

生成AIサービスの利用前に、各生成AIサービスの利用規約等を確認の上、法務部門の法務審査及びIT・セキュリティ部門のセキュリティチェック等を行なってください。利用自体に問題はない場合であっても、サービスごとに商用利用のための条件が設定されている場合や、禁止される利用方法がある場合等がありますので、ご注意ください。
※赤字部分は適宜変更してください
ChatGPT Business/Enterprise
重要な注意点: これらの設定を行っても、システム運用上のログは残存する可能性があります。そのため、機密情報の入力は避けるという基本原則は変わりません。
※下記は実際のChatGPTの画面です。<💻参考ページ
 

リスクベース利用判断フレームワーク

業務での生成AI利用は、業務への影響度と情報の機密度を組み合わせて判断します。この判断基準を身につけることで、迷った時の相談や後輩への指導にも活用できます。
情報機密度(低)情報機密度(中)情報機密度(高)
業務影響度(低)・議事録の下書き ・アイディア出し
業務影響度(中)
業務影響度(高)
※クライアントに具体的な業務をヒアリングをして、こういった表を作成しましょう

3. 戦略的活用フレームワーク

3段階の活用レベル

活用レベルに応じて、求められる注意点と承認プロセスが異なります。
※紙ベースでの申請書で管理できますが、Googleフォームを利用する方法もあります<💻参考ページ
💫具体的なやり方メモ
1.はじめに<ここ>にアクセスしてください
2.左上「無題のプロジェクト」を下記にします。
3.右側のコードをすべて削除して▶を押して出るコードを追加し、💾保存します。
4.上の方にあるメールアドレスをクライアントの上長のものに設定します。
上長1はチームリーダークラス、上長2は部課長クラスが望ましいです。ただし、テスト時は自分のメールアドレスにしましょう。
5.実行するプログラムを「setup」にし、実行します。
うまく動作すると、下記のようなログが出ます。
フォームURL(編集)をブラウザで開き、スプレッドシートと連携したり、アドレス収集の設定をしましょう。
6.右上のデプロイを押し、下記の操作をします。
  • 「新しいデプロイ」をクリック
  • 「種類を選択」で⚙️アイコンをクリック→「ウェブアプリ」を選択
  • 設定:
    • 説明: 「生成AI利用申請承認システム」
    • 実行ユーザー: 自分
    • アクセス権限: 全員
  • 「デプロイ」をクリック
  • ウェブアプリのURLをコピーして保存(6で使います)
7.コードの中の中段にある下記の部分を探します。
「https://script.google.com/macros/s/YOUR_DEPLOYMENT_ID/exec」の部分に先ほどコピーしたウェブアプリのURLを貼り付けて💾保存します。
8.実行するプログラムを「setWebAppUrlWithUrl」にして実行します。
下記のようなログが出たら、成功です。実際にフォームで試してみましょう。
※またはChatworkやLINEのリアクション機能👍でも承認の運用は可能です
💫具体的なやり方メモ
例えば、Chatworkにはタスク機能があります。この機能を使うことで申請をすることは可能です。また、いちいちタスクを作らなくても、投稿にリアクションをしてもらうことで承認をしてもいいでしょう。
 
Level 1: 効率化ツール
  • 対象業務: ドラフト作成、要約、翻訳、アイデア生成
  • 判断・承認: 個人レベル(社内利用のみ)
  • 承認プロセス: 承認不要、個人の判断で利用可
  • 品質管理: 基本的な事実確認
このレベルでは出力結果をそのまま使用することは稀で、必ず人間による確認・修正が前提となります。例えば、「○○プロジェクトの進捗報告資料の構成案を作成して」と依頼し、その結果を基に自分なりの構成を組み立てる使い方です。
Level 2: 意思決定支援
  • 対象業務: 分析レポート、提案書、戦略案作成
  • 判断・承認: チームリーダーレベル、上司確認必須
  • 承認プロセス:
    • 1. 事前相談:上司に利用目的と対象業務を報告 2. 生成・確認:AI利用と品質チェック実施 3. 事後報告:結果と修正内容を上司に共有 4. 最終承認:上司による内容確認と利用許可
  • 品質管理: 複数ソースでの事実確認、論理性チェック
このレベルでは、AIの出力が部門やチームの判断に影響を与える可能性があるため、内容の精度と客観性により注意を払う必要があります。数値データや市場動向については、必ず複数の信頼できる情報源で裏付けを取ってください。
Level 3: 外部発信
  • 対象業務: 顧客向け資料、公開コンテンツ、プレゼン資料
  • 判断・承認: 部門責任者レベル、法務・広報部門必須
  • 承認プロセス:
    • 1. 企画段階:部門責任者にAI利用計画を相談 2. 事前審査:法務・広報部門にリスク評価を依頼 3. 生成・品質管理:多角的検証の実施 4. 中間確認:修正版を関係部門で再チェック 5. 最終承認:部門責任者による最終承認 6. 記録保存:利用記録と承認履歴を保管
  • 品質管理: 法的リスク、ブランド整合性、競合優位性の多角的検証
この段階では、生成された内容の大部分を人間が作り直すことも珍しくなく、AIは「素材提供」の役割に留まることが多いのが実情です。
※上記の記載内容は実際のクライアントの業務に合わせてください

4. 実践的プロンプトエンジニアリング

構造化プロンプトの活用

再現性のある高品質な出力を得るためには、プロンプトの構造化が重要です。以下のテンプレートを業務に応じてカスタマイズしてください。
分析・レポート作成用テンプレート
使用例
創作・企画用テンプレート

反復改善プロセス

一度のプロンプトで完璧な結果を得ることは稀です。以下の4段階を意識して進めてください。
1. 初期生成2. 批判的レビュー3. 精緻化4. 最終検証
各段階で活用するプロンプト例:

5. 情報セキュリティ・コンプライアンス

段階的情報保護

情報の機密度に応じた適切な取り扱いは重要な責務です。以下の基準で判断してください。
公開情報: そのまま利用可 社内情報: 抽象化・匿名化後利用 機密情報: 利用禁止 顧客情報: 一切利用禁止

匿名化・抽象化テクニック

社内情報を活用する際は、以下のような変換を行ってください。

コンプライアンス事前チェック

生成された内容の法的リスクを事前に評価するため、以下の確認を習慣化してください。
注意: AIによる法的判断は参考に留め、重要な案件については必ず専門部署の確認を得てください。

6. 高度な品質保証

複数AI活用による交差検証

品質向上の有効な手法として、同一内容を異なるAI(ChatGPT、Claude、Geminiなど)で生成し、結果を比較検証する方法があります。
活用場面:
  • 重要な文書作成時
  • 外部公開予定のコンテンツ
  • 複雑な分析が必要な案件
各AIには異なる特性があり、一つのAIでは見落としがちな問題や改善点を、他のAIが指摘することがよくあります。ただし、時間とコストがかかるため、業務の重要度に応じて使い分けることが重要です。

ファクトチェック体制

生成された内容の事実関係を体系的に検証するため、以下のプロンプトを活用してください。また、この場合、生成AIのリサーチ機能を使用してください。
※下記の図はChatGPTです

品質評価システム

各出力物の品質を客観的に評価するため、以下の基準を活用してください。

7. チームマネジメント・知識共有

同僚・後輩への指導アプローチ

経験の浅いメンバーに指導する際は、段階的なアプローチが効果的です。
段階的権限付与の原則:
  1. 低リスク業務から開始(社内資料の下書きなど)
  1. 慣れてきたら徐々に責任範囲を拡大
  1. 定期的な振り返りとフィードバック
ペアワーク形式の活用: 同じタスクに一緒に取り組み、プロンプトの作成から結果の検証まで、思考プロセスを共有することで本質的な理解を促進できます。
失敗事例の教材化: 実際に発生したミスケースを匿名化・一般化した上で共有し、同様の失敗を防ぐための教材として活用してください。

チーム内標準化の推進

チーム全体の品質向上のため、以下の取り組みを進めてください。
共通プロンプトライブラリの構築:
  • よく使用される業務パターンに対応
  • 検証済みの高品質プロンプトを蓄積
  • チームメンバーが自由に活用できる環境
品質基準の統一:
  • テンプレートやチェックリストの標準化
  • 誰が作業しても一定水準以上の成果物を確保

エスカレーション判断基準

以下の場合は、躊躇せずに上位者や専門部署にエスカレーションしてください。
エスカレーションは「能力不足の表れ」ではなく、「適切なリスク管理の実践」です。

8. 記録・監査・継続改善

詳細記録の重要性

中・高リスクの業務で生成AIを利用した場合は、以下の詳細記録を残してください。
これらの記録は、問題発生時の説明責任を果たすためだけでなく、チーム全体のノウハウ蓄積と品質向上にも寄与します。

効果測定・投資対効果の確認

生成AI導入の効果を定量的に把握するため、以下の指標を継続的に測定してください。
これらのデータは上位者への報告や今後の投資判断の根拠となります。

継続的改善サイクル

以下のサイクルで継続的な改善を実施してください。
常に最新の技術動向と組織ニーズに対応できる体制を維持することが重要です。

問い合わせ先:●●部(技術相談・エスカレーション対応)
付則:本ガイドラインは四半期ごとに技術進歩と規制動向を反映し更新されます

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